ドラマ『新宿野戦病院』は2024年7月3日からフジテレビ系(水曜22時枠)にて放送中のドラマで、主演は小池栄子と仲野太賀。 歌舞伎町の病院を舞台とした「救急医療エンターテインメント」で、脚本を宮藤官九郎が担当することでも話題になっている。
ドラマ『マウンテンドクター』は2024年7月8日からカンテレ制作・フジテレビ系列の(月曜22時枠)にて放送中のテレビドラマで、主演は杉野遥亮。 山での医療対応を担う山岳医を描いたオリジナル作品。
どちらも、フジテレビ系で放送されている医療ドラマです。『新宿野戦病院』と『マウンテンドクター』は異なる舞台設定でありながら、共通する医師たちの熱意が印象的な作品な作品として挙げられます。この2つのドラマを比較し、それぞれの魅力と共通点を探っていきます。
『新宿野戦病院』のあらすじ 感想
物語は新宿・歌舞伎町の経営が傾きかけた救急受け入れもする「聖まごころ病院」で、跡を継ぐ外科医のいない病院に、泥酔したヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が運び込まれてくる。 院長の高峰啓介(柄本明)は、ヨウコがアメリカ国籍の元軍医である事を知り、病院で働いてもらうことにします。ただ、アメリカで医師免許を取得していても、日本では資格がないことから啓介の家族、職員から反感をかうのですが・・・・・・。
ヨウコ・ニシ・フリーマンの英語と岡山弁の混ざった独特な口調に、SNSでは発音が気になるなどの書き込みが多くありましたが、ガチャガチャ感がよいという声もありました。 キャストのキャラクターが濃くて、会話のテンポの良さと、コメディーっぽくもありながら、社会問題にもメスを入れてくるのはクドカンらしいと言えます。 第1話から第3話までは、歌舞伎町らしく、救急患者にホストの下ネタエピソードを入れたり、トー横キッズが出てきたり、話の焦点が定まってなかったですが、第4話から人物に焦点をあて、社会問題を浮き彫りにするようになってきました。
『マウンテンドクター』のあらすじ 感想
舞台は、北アルプスの麓にある長野県松本市。雄大な自然を舞台に、山岳医療をテーマにしたドラマです。 信濃総合病院に赴任した青年医師・整形外科医の宮本歩(杉野遥亮)。信濃総合病院では「山岳医療科」に力を入れており、宮本は山岳医療科との兼務を命じられます。 早速近くの山で遭難事故が発生したと連絡が入り、歩はヘリで現場へ向かいます。怪我をした患者の処置を終えると、1人が岩で胸を打ったと苦しみだします。焦っているところに突然現れた先輩医師・山岳医療科の江森岳人(大森南朋)が適切な処置をし、無事に命を救うことができたのでした。 江森は、国際基準の検定に合格した医師だけがなれる国際山岳医の資格も持っていて・・・・・。
歩は、院長(壇れい)に「整形外科」に専念したいと申し出ます。しかし、院長は兄の死と向き合うためにも、山岳医を続けるべきだと助言。歩には自分が駄々をこねて兄と登山に行き、遭難し兄を亡くすという過去がありました。兄は医師を目指していました。 歩は山と向き合う決心をし、山岳医になるために留学します。 一年後、留学から戻った歩は、院長からMMT(マウンテンメディカルチーム)のメンバーに任命されます。しかし、江森は患者のを亡くしたため、メンバーからはずされたことを知るのです・・・・・。
青年医師が、自分の未熟さと葛藤し、先輩医師や仲間に支えられながら山岳医として成長していく正統派の医療ドラマです。山の厳しい環境下での医療活動、迅速かつ適確な判断を迫られる医療現場は、見ている側にも緊張感を与えます。また、美しい山岳風景は、ドラマの世界観を深めています。
『新宿野戦病院』と『マウンテンドクター』の比較
舞台と環境の対比
・マウンテンドクター:自然豊かな山岳地舞台に、限られた医療資源の中で患者を救う物語
・新宿野戦病院:人工的な都市、新宿歌舞伎町の救急患者も受け入れる「聖まごころ病院」を舞台に、ホストや外国人、ホームレスなどの問題を抱えた人物などを相手に、時に荒削りで人間味あふれる医療が行われる。
医療の目的と対象
・マウンテンドクター:山岳遭難など、特別な状況下での医療。自然と人間の対峙の中で、生命の尊厳を問う。
・新宿野戦病院:都市における貧困や病、社会の闇といった問題を背景に、誰もが平等に医療を受ける権利をもつことを訴える。
医師のキャラクター
・マウンテンドクター:専門性が高く、冷静沈着な医師が多い一方で、過去にトラウマを抱えたり、人間関係に悩みを抱えたりするなど、人間的な側面も描かれる。
・新宿野戦病院:必ずしも正規の医師免許を持っていないなど、型にはまらない医師が登場。患者との間に深い人間関係を築き、時にコミカルなやり取りを見せる。
ドラマのテーマ
・マウンテンドクター:生命の尊厳、チームワーク、自己犠牲といった普遍的なテーマを扱い、感動や勇気を与える。
・新宿野戦病院:社会の闇、貧富の差、人間の尊厳といった社会問題を扱い、視聴者に考えさせるきっかけを与える。
共通点
・医療ドラマとしての面白さ:両作品とも医療現場での緊張感や感動、人間ドラマを描き出し、視聴者を惹きつける。
・医師の使命感:厳しい環境や困難な状況下でも、患者を救うために尽力する医師たちの姿が描かれる。
まとめ
『マウンテンドクター』と『新宿野戦病院』は、舞台や医療の対象、医師のキャラクターなどが大きく異なるドラマです。しかし、どちらも医療現場で働く人々の葛藤や喜び、そして生命の尊厳といった普遍的なテーマを描いています。異なる視点から医療ドラマを楽しみたい方におすすめです。
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